只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
ずっと待っても帰ってこない。

美羽はお風呂に入ってリビングにいた。

「遅いなあ…」

壁にかけてある時計は既に夜中の12時を越えていた。

美羽は自分の部屋からリビングに自分のパソコンを持ってきた。

「これに触れるのは久々だな…」

USBの中に保存したデータを開く。

何十枚と書いた原稿が出てくる。

「今、どこまでやったっけ?」

美羽は部屋に本を取りに行った。

「ただいま」
「あ、お帰りなさい」

美羽は数冊の本を持ちながら出迎える。

「まだ、寝てなかったんだね」
「うん、だって帰ってきたときリビングの電気が消えていたら悲しいでしょう?」

美羽は嬉しそうに微笑んで言う。

悠哉は着替えるため一度自室に入って行った。

「…よかった」

美羽は安心したのか肩の力が抜けたような気がした。

「何してたの?」

部屋着に着替えた悠哉が美羽の後ろから覗き込む。

「あ、…れ、レポートです」

美羽は顔を赤らめ悠哉から視線を逸らす。

悠哉はニヤつきながら美羽を後ろから抱きしめた。

「な、何してるんですか!?」

美羽は悠哉の腕の中から抜け出せないでいた。

「ん?無理しないでね、美羽さん」

とてつもなく甘い声で言う悠哉に美羽はぷるぷる震えるしかできなかった。

あれから一睡もできずにいた美羽は、仕事中に居眠りをしそうになっていた。

「はあ~…」

響輝はニコニコしている悠哉を見てどこか納得した。

「早くしないと上が煩いですよ」
「うん、分かってる」

一瞬だけ真剣な表情になったが、すぐに緩んだ。

響輝からため息が消えることはなかった。
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