只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
久々の休日からまた数日が経った頃。

美羽と悠哉はどこかギクシャクしていた。

会社でもあまり話さなかったり、美羽に構いっぱなしだった悠哉は美羽から距離をとっているように見えた。

それを心配した2人が動く。

昼休み、美羽は桃歌に連れ出され人気なのない屋上に。

悠哉と響輝は誰も入って来ない社長室に行った。

「美羽どうしたのよ。あんなに美羽にベッタリだった社長が美羽に一度も近づいていないじゃない」

桃歌が切り出す。

美羽もそれは気にかけていたようで…。

しかし、口から出てくる言葉は思ってることとは反対のこと。

「…あれが通常なんじゃないの?」
「確かにそうだけど…傍から見ても今の貴方達2人はおかしいわ」

桃歌は美羽に詰め寄る。

美羽は俯き、ぽつりぽつり話し始めた。

「私にもよく分かってないの」
「え?」
「急に朝から素っ気なくなって私も少しは戸惑っているけれど、社長は普通だしそれに…」

何かを言いかけて美羽は口を閉じる。

「それに?」

桃歌は先を促す。

しかし美羽は首を振り桃歌に笑って見せた。

「何でもない。…何でもないの」

そう言う美羽の表情はどこか悲しそうだった。

自分達の部署に戻り美羽は仕事を始めたが、桃歌は響輝と廊下で報告会をしていた。

「そちらはどうでしたか?」

響輝に聞かれて桃歌は首を振る。

「何も言わなかった。…しかし戸惑っているらしく」

桃歌と響輝は壁越しに美羽を様子見る。

普段の彼女に見えてどう見ても戸惑っている様には見えなかった。

「こちらも吐いてはくれませんでした。はぁー…意気地なしっ」
「あはは…」

桃歌は苦笑いを浮かべる。

「少し様子を見ましょう」
「そうですね…」

美羽と悠哉の行動は桃歌と響輝の疑いを深めるばかりであった。
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