只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
あれから何も変わらない。

悠哉は変わらず遅く帰り、美羽はその悠哉の帰りを待つ。

今日も悠哉の帰りを待っていた。

「今日も遅いですね…」

美羽は観葉植物の世話をしていた。

水やりが終わりリビングで一息つく。

美羽と悠哉の会話は日に日に減って行った。

悠哉が帰る前に美羽は寝ていることが多くなった。

何をしているのだろうか…。

何も思っていなかったはずなのに、美羽は悠哉のことを考えることが多くなった。

それはきっと美羽の気持ちの変化であろう。

美羽がぼーっとしていると、テーブルの上に置いてあった美羽の携帯が鳴った。

相手は桃歌。

美羽は電話を取る。

「もしもし、どうしたの?桃歌」
『美羽!?社長はいるかしら?』

桃歌は慌てている様子だった。

「まだ戻ってないけど…どうかしたの?」
『やっぱり…。今日帰り際に社長を見かけたのよ。そしたら女の人と歩いてて…』
「え?そうなの?」
『う、うん…』
「仕事関係じゃないかなあ?」

美羽は冷静を装いながら言う。

『それなら、いいんだけど…』
「うん、そうだと思うよ?桃歌が何を心配しているか分からないけれど…きっと大丈夫だよ」
『そっか、美羽が言うなら大丈夫だよね。うん、夜遅くにごめんね!おやすみ』
「うん、おやすみ」

美羽は電話を切りテーブルの上に置く。

「女の人、か…」

桃歌の前では気にならないふりをしていても、やっぱり気にはなるもので…。

美羽の心は珍しくザワザワとしていた。

その日、やっぱり悠哉は遅く帰って来た。

美羽は顔に出ない分態度に出るのか悠哉に対し素っ気ない態度だった。

翌日の朝、美羽は眠れなかったらしく目の下に隈が出来ていた。
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