只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
会社の廊下で騒がしい足音が響く。

その足音は秘書課のドアの前で止まり、大きな音を立ててドアを開けた。

「大変なことが起こってしまった…!」

悠哉は額に汗をかいていた。

急いで来たのだろう。

「何があったんですか」

興味がなさそうに響輝が聞く。

美羽は首を傾け悠哉を見つめていた。

「母さんと…」
「は?」
「母さんと父さんが三日後様子見に来るって!!!」
「はあああっ!?」

美羽と桃歌は把握ができていなかった。

響輝は急に頭をかかえ始めた。

悠哉はその場に膝をついた。

美羽は悠哉に駆け寄る。

「どうしたのですか、社長」

美羽は悠哉の額に浮かぶ汗をハンカチで拭った。

悠哉は話せない状態となる。

代わりに落ち着いてきた響輝が言う。

「社長のご両親…つまりは会長ご夫妻が三日後、この会社に訪ねられると言うことです」

響輝の説明に二人が頷く。

「「えええええっ!!」」

美羽と桃歌は遅れて驚く。

響輝はうんうんと頷いていた。

悠哉だけが何故か泣いていた。

響輝は一旦仕事を止めて悠哉に構う。

「急にどうしたのですか、何故お二方が…」

悠哉は経緯を響輝に話す。

美羽と桃歌は仕事をしながら聞いていた。

「なるほど…あの人のせいですか。まぁ、柊木さんに頑張ってもらうしかないですね」

響輝は眼鏡を指でクイッとあげた。

「美羽、頑張って」

何かを察した桃歌が美羽に声援を送る。

美羽だけが未だ分かっていなかった。
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