只今上司がデレデレちゅぅ！！〜溺愛上司に愛されて〜
悠哉の両親が訪れた日から数日。

会社ののオフィスで美羽が何かを言いたそうにそわそわしていた。

「どうしたの？美羽」
「桃歌〜…」

美羽は涙声を出し桃歌に抱きつく。

「聞いて〜」
「う、うん。何？」

美羽自身から言ってくることはあまりなく、桃歌も少し戸惑っていた。

「なるほど…、社長の御両親が美羽のおじさんのところにね。」

うんと美羽は頷く。

昨夜、珍しく美羽の父親からメールが来ていた。

内容は自分達のところに悠哉の両親が訪れたということだった。

「それで、何で美羽が泣いてんの？」
「…社長じゃなくて奥様が…」

美羽の話によると、親への挨拶には悠哉が行くところが悠哉の母親、結愛が一人で挨拶に行ったらしかった。

しかし、美羽の父親、弟二人は付き合っているとは聞かされていなかった。

そして今、学校と会社を休んで柊木一家はこっちに来ていた。

「まあ…」

それには桃歌もびっくりだ。

「おじさん達は今どこに？」
「今は社長が用意してくれたホテルの一室に泊まってる」
「あら〜…」

美羽は大きな深いため息をつく。

桃歌の目から見ても美羽は疲れているように見えた。

美羽と悠哉は一緒に退社する。

「美羽、父さん達がホテルに着いたらしい」
「…ごめんなさい、悠哉さん」

美羽は俯き歩く。

「気にしなくていいよ、俺も美羽のお父様に言えば良かったな」

美羽と悠哉は手をぎゅっと繋いでホテルに向かった。
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