只今上司がデレデレちゅぅ！！〜溺愛上司に愛されて〜

不安の結果通知

楽しかったけれど、嬉しくないハプニングが起こった旅行から帰って来て数日。

美羽は趣味でやっている研究に没頭していた。

「はい、差し入れ」

桃歌は美羽の目の前にコンビニで買ってきたおにぎりと飲み物を置いた。

「ん、ありがとう」

美羽は数日前から桃歌の家に泊まっていた。

桃歌はキッチンで珈琲を入れて美羽の向かい側に座った。

「ずっと…書いてるね」

美羽はパソコンに集中していた。

美羽は昔から好きだった植物の生態について独学で研究していた。

「もうすぐで終わる…」

集中していて聞こえていないと思っていた桃歌の声は美羽に聞こえていた。

「…よし！」

書いた内容を確認してからUSBに保存する。

美羽は自分のノートパソコンを閉じた。

「…研究もいいけど、結果。もうすぐで分かるんじゃない？」

桃歌はマグカップを机の上に置く。

美羽はその言葉を聞いてギクリとした。

「もし、受かっていたならにげることはもう出来ないわよ？」
「…分かってるよ」

美羽は桃歌が買ってきたミルクティーを口に含む。

合格の結果が来るとすれば明日だ。

美羽はまだ立ち直れていなかった。

「今更だけど…目が合ったことの何が悪いの？笑って見せれば良かったじゃない」

桃歌が言っていることは正論だ。

そんなに気にすることではないことも美羽は頭の中では分かっていた。

「目力に負けて逸らしてしまった。しかも1人ではなく、沢山人がいた場所で…っ」

美羽は目を逸らしたことについて凹んでるわけではなかった。

状況が良くなかったのだ。

美羽の目から涙が一滴零れた。

桃歌は美羽の隣に移動して美羽の頭を撫でる。

それしか、出来ることがなかった。
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