只今上司がデレデレちゅぅ！！〜溺愛上司に愛されて〜
桃歌も響輝も仕事がまだひと段落ついておらず、美羽は久々に一人で行動していた。

「何食べようかな…」

最近はいろいろと忙しく前みたいにお弁当を作る暇がなかった。

美羽は購買のパン売り場で悩んでいた。

「あの、柊木さん…ですよね？」

美羽がどれにしようか悩んでいると後ろから声をかけられた。

「はい、そうですけど…」

美羽がそう言いながら振り向くと中原が。

中原はにんまりと微笑んで、

「少しお話しいいですか？」

と美羽に言った。

美羽は驚いた様子で戸惑いながらも頷いた。

中原は美羽を小さな会議室に連れ込んだ。

「どうかしましたか？」

美羽はいつものように聞く。

それが中原の癇に障ったのか中原はイラついている様だった。

「どうかしましたかではないわ。この、泥棒猫！悠哉さんは私と結婚するはずだったのに！私から悠哉さんを奪っておいて良くそんなことが言えたわね！」

中原は美羽を壁に押し付ける。

美羽は肩を少し傷めた。

それに追い打ちをかけるように美羽の肩を握る。

美羽は顔を歪めた。

「悠哉さんは私のよ！」

美羽は既に中原のことに無関心だった。

「…ですね」
「はぁ！？」

美羽は中原に聞こえるくらいの声で言った。

「最低ですねって言いました。それを言いにここまで来たんですか？あほですね。貴方のその軽率な行動や言動でどれだけ社長を苦しめているのか分からないんですか！…本当に救いようのない人ですね。」

美羽は力の抜けた中原を押しのけて会議室を出た。

肩には壁に打ち付けられた痛みと握られた淡い痛みが残っていた。
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