只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
響輝も仕事に戻り、屋上には美羽と桃歌が残った。

「美羽…」

桃歌が心配そうな面持ちで美羽を見つめる。

「桃歌、あのね…」

美羽は桃歌に中原と何があったかを話した。

桃歌は只々黙って聞いていた。

「…ていうことがあって」
「美羽…」

桃歌は美羽を抱きしめる。

美羽は少し戸惑った。

「ど、どうしたの?」
「頑張ったね!」

まさか労いの言葉がくるとは思わなかった。

桃歌は美羽をきつく抱きしめた。

美羽は安心したのかホッと息をついて笑った。

「ありがとう、桃歌」

美羽も桃歌を抱きしめ返す。

「よし、仕事戻ろう」
「うん」

2人は一緒にデスクに戻った。

美羽は桃歌からおにぎりをもらって定時まで仕事をしていた。

「美羽、ちょっといいか」
「はい?」

帰る支度をしていた美羽は悠哉に呼ばれた。

美羽は悠哉に駆け寄る。

「どうかしましたか?」
「ああ、ちゃんと中原には話をつけなくてはと思ってな…」

悠哉が中原の名を出すと桃歌と響輝が立ち上がる。

「どう、始末するつもりだ?」

響輝が悠哉に聞く。

「真正面から行くつもり。それで片をつける。親父にももう話した。…母さんには怒られたが」

悠哉は3人から顔を逸らした。

「俺には美羽しかいらないから」

響輝と悠哉が真剣に話をしている横で桃歌が美羽に耳打ちしていた。

「社長、本当にいい男じゃない」

美羽は頬を赤く染めて小さく頷いた。

美羽は初めて出会ったあの日を思い出して、

「ふふっ」
「?どうかした」
「何でもないよ」

誤魔化し微笑んだ。
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