只今上司がデレデレちゅぅ！！〜溺愛上司に愛されて〜

美羽の実家に着いて玄関を開けると、

「おかえり美羽、いらっしゃい悠哉くん」

美羽と美塁と美来の父親が玄関前で正座して座っていた。

「…親父邪魔だよ」
「うん、邪魔だよ」

美塁と美来にツッコまれて父親は廊下の隅に移動した。

「お邪魔します、お義父さん」
「うん…」

頷く父親の声は少し涙ぐんでいた。

美塁がお茶を出して、美来がお茶菓子をテーブルに置いた。

「ありがとう、美塁、美来」
「「いえいえ」」

美塁と美来は父親を廊下からリビングに運んで、父親を真ん中に挟むようにして父親の両隣に座った。

「そう言えば何で帰って来たんだ？」

父親が美羽と悠哉に聞いた。

「改めてご挨拶に…。それと、美羽が育った街を見に来ました」
「そうか。それがお前らのけじめか」
「はい、そうです」

悠哉が父親の質問に答えた。

「お父さん、私もやっぱり自分の口から言いに来たの。ずっと甘えてばっかりだったから…」
「美羽…」
「私ね、悠哉さんと幸せになりたい。ずっと何があっても傍にいたいの」

美羽がそう言うと、父親は安心したかのような嬉しそうに笑った。

「ああ、お前が幸せになるなら文句はないよ」
「僕も」
「うん…」
「皆…っ」

美羽は目に涙を浮かべた。

「必ず幸せにします！」
「甘え下手な娘を、よろしく頼んだよ。悠哉君」
「はい！」

その後は近所を美塁と美来と共に、悠哉に案内した。

美羽の母校に行ったり、お土産屋さんに行ったり…。

色々と見て回った。