只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜

ハッキリとした目的と決意

家で2人揃ってご飯を食べてる途中、美羽が言った。

「悠哉さん。あの時の話ですけど、私会社を辞めたくないです」
「美羽」
「中原さんの時、話が進んで私が寿退社するってなりましたけど、私今の仕事がとても楽しいんです。だから…」

美羽は様子を伺うように悠哉を見る。
悠哉は箸を止めて口の中の物がなくなってから話した。

「うん、いいと思うよ。あれは中原さんを黙らせるための親父たちの口車だったろうし、それに俺も辞めて欲しくない」

その言葉を聞いて安心したのか、美羽はホッと胸を撫で下ろした。
その後に聞こえた「会社で美羽が見れなくなるのは嫌だ」と言う悠哉の声は聞こえなかったことにした。

「じゃあ、働き続けるのね!」
「うん、そうすることにした」
「さぞ、社長がお喜びになったことでしょう」

翌日、美羽は会社で桃歌に話した。
響輝も桃歌も美羽が会社に残ることを大いに喜んだ。
美羽はそれはそれとして、と言って桃歌に耳元で言った。

「…何かあったの?」

美羽がそう言うと桃歌の背筋が伸びた。

「美羽…」

泣きそうな表情で桃歌は美羽を見る。
様子が変だったのはこれかと美羽は少し納得した。

「それで…響輝さんと何かあったの?」
「告白された」

美羽が聞くと桃歌はあっさり答えた。
お昼休みになり、2人は会社の外に出かけた。

「何て?」
「結婚前提に付き合ってくださいって」

桃歌と響輝の間の変な距離はそれかと美羽は思った。
けれど…。

「何で不安そうなの?」

美羽は聞いた。
桃歌は自信なさげに答える。

「自分の気持ちが分からなくて。響輝さんのこと好きなのかどうか…」
「なるほど」
「美羽は好きだとか不安にならなったの?」

桃歌に言われて考える。

「不安になる暇がなかったかな。悩むことや考えることはあっても、悠哉さんが強引だったからなぁ」
「うん、そんな感じがする」

はぁ、と桃歌はため息を漏らす。

「急なことだったからすっごく戸惑っちゃって」

うんうんと美羽は頷く。
桃歌の調子は当分戻らないと美羽は確信した。
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