只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜

小さな嫉妬と寂しさ

桃歌は響輝に話す。

なるべく落ち着いた口調で。

「…嬉しいんですよ、美羽が結婚するって。だけど何かモヤモヤするんです」

桃歌の話を響輝は頷きながら聞く。

桃歌は続けた。

「素直にお祝いしたいのに出来ないというか、どうしたらいいのか分からなくなってしまって…」

桃歌は俯いた。

響輝は俯く桃歌に向かって言う。

「それは寂しいんじゃないでしょうか。」
「寂しい?」
「はい。大の親友が離れていってしまうようで、関係が壊れてしまいそうで。きっと寂しいんですよ」

桃歌は「寂しい」という言葉を何度も復唱した。

すると心の中のモヤモヤが少し晴れたようで。

「そっか、寂しかったんだ私」

美羽との関係がなくなってしまうのではないか。

桃歌は自分が不安を抱えていたのを知った。

響輝は桃歌をまっすぐに見て言った。

「本当は、柊木さんが来る予定だったんですが。私が無理に変わってもらったんです。きっとモヤモヤが増えるだけだろうから」

独断ですみませんと響輝は謝る。

桃歌は首を横に振って否定した。

「いいえ、そのおかげでスッキリしました」
「なら良かったです」

桃歌は久々に笑った気がした。

それにつられて響輝を笑みをこぼした。
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