只今上司がデレデレちゅぅ!!〜溺愛上司に愛されて〜
悠哉と駅で待ち合わせをして、そこから遠くない居酒屋に入る。

「率直に言って、美羽が可愛すぎる」

飲みの始まりは悠哉の惚気から必ず始まる。

響輝は慣れているのか半分は聞き流していた。

「でも、珍しいな」
「何が?」

悠哉に反応されて無意識に言葉が出ていたようだ。

「いや。お前がそこまで言う人は今までにいなかったから」
「ああ、だからきっとこれが初恋なんだと思っているよ」

デレデレの悠哉は気持ち悪いと心の中で思った。

「お前は何もないのか?」

唐突に悠哉に聞かれる。

「さあ…気になってるのかも何も分からん」

響輝は少し残っていたビールを一気飲みした。

「ふ~ん…。じゃあ今日、何で美羽の代わりに行ったの?」
「…。」

何でと聞かれてもと響輝は思った。

自分が何を考えて行動したのか。

それは響輝にも分からないことだった。

「心のどこかでは気になってるんじゃないの?」

悠哉に言われて考え始める。

「本当、そういうところ昔から鈍いよね」

悠哉の言葉は響輝に聞こえていなかった。
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