いじめから救ってくれた捨て猫
父親は厳しい人だったし、母親は身体のしっかりした長男を可愛がっていたので、僕は家でも誰にも、いじめられていることは話しませんでした。

そして制服が冬服から夏服にかわる頃、学校の帰りに捨てられている子猫を見つけたのです。

ダンボールの箱の中には、茶寅と白の模様の子猫が一匹だけ入っていました。

「にゃー、にゃー」

鳴いている、その子猫を見ているとかわいそうで、もちろん拾って帰りました。

僕は家に帰って母親に聞きます。

「子猫を拾ってきたけど飼ってもいい?」

母親は僕に、とてもそっけなく返事しました。








「家には、もう犬も猫も居るから、これ以上は飼えないで」

「すぐに元の場所へ捨ててきな」
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