いじめから救ってくれた捨て猫
僕の頭の中に母親が子猫を、もう一度捨てに家を出る時に言った言葉が浮かんできます。




「もう拾ってきたらいかんで」

「これ以上は、絶対に飼えんで」




母親の怒った声が頭の中で響きます。


{当時は現在ほど豊かな時代ではなく、犬や猫には家族の食べ残したものなどを与えていたのです。もちろんペットフードなどは売っていない頃です。犬や猫だけに与える食事など考えられなかったのです}


僕は母親の声を振り払うかのように自転車をこぎました。

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