いじめから救ってくれた捨て猫
そして子猫の入ったダンボール箱を道路の隅の、民家の屋根が張り出している下に置くと、持ってきていたイリコを袋から出して、ダンボール箱の中に砕いて入れました。

少しの間でも食べて生きてくれるようにと願いながら・・・

「誰でもいいから、誰か拾ってください」

僕は祈りました。

僕にできるのは、ここまでです。

あとは祈るしかありませんでした。

そして立ち上がり、周囲を、もう一度見ましたが、やはり誰も見えません。

捨てるところを見られると、怒られると思い、すぐに立ち去ろうとしました。

自転車のハンドルに手を掛けて、自転車を押して歩き始めます。
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