いじめから救ってくれた捨て猫
もう一度引き返すと、人が出てきて、捨てている現場を見られるかも知れません。

人に出会うのが、見られるのが怖かったのです。

結局、引き返す勇気は出ず、僕は自転車を、こぎ始めると家に向かって、ここまで来た道を引き返しました。

しかし最後に見たダンボール箱から出てこようとしている子猫の姿が頭から離れません。






「捨てて、ごめんな」

「頼むからダンボール箱の中に戻って・・・」






僕は、何てひどいことをしたのだろう。

自分で自分をとがめました。

そして、ずっと祈りながら帰りました。

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