いじめから救ってくれた捨て猫
次の日

登校した僕は、どうにか勇気を振り絞り、山中君に子猫の話を聞こうと思いましたが、なかなか話ができません。

ほんとうに怖がりだったのです。

そうするうちに授業が終わり、下校前の掃除の時間になりました。

机や椅子を、すべて部屋のうしろへ下げて、教壇の方から箒で掃いていきます。

山中君は僕を目がけて、箒で掃くごみを散らしてくるのです。

いつもの事ですが、僕が移動すると山中君も僕の方へ移動して、わざとごみを僕の方へ掃き飛ばしてきます。

その時、山中君の勢いよく掃いていた箒が、机の脚に当たり、その反動で山中君がバランスを崩し、椅子の角で膝を打ちました。
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