いじめから救ってくれた捨て猫
「ふ~ん、この中に入れてたん」

「僕が見つけたのは、その向こうの道の角や」

言いながら山中君は五十メートルくらい先の丁字路の交差点を指差しました。

山中君について行くと、彼は、その丁字路の手前にある家の門に入り

「ここが僕の家や」

「父ちゃんと母ちゃんは働きに行ってて、ばあちゃんは病気で寝ているから、家の中へ入って友達と遊ばないように言われているんや」

「だから子猫を玄関まで連れてくるから待っていて」

そう僕に告げると、山中君は家の中に入っていきました。
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