××夫婦、溺愛のなれそめ
「ごめんね、莉子」
レヴィは義弟が襲来するたび、私に謝った。
せっかく家に帰ってきて二人でまったりする時間なのに、レヴィはずっとすまなさそうな顔をしているし、私は無表情。
義兄に嫌味を言われているところを発見すると、レヴィは必ず庇ってくれる。用もないのに会社に来るなと怒鳴っているところも見たことがある。
しかし、それから義兄はレヴィが見ていない隙を見てチクチクやってくるようになった。
昔のドラマで見るような、鬼姑みたい。
「べつに」
私は口角炎が痛むので、ちょっとずつ食事を口に運んだ。
義兄が襲来した日は何をする気も起きなくなるので、今日もおかずはスーパーのお惣菜だ。
この食卓を見たら、義兄は水を得た魚のように生き生きと私を批判しにかかるだろう。
まだこの部屋にまで押しかけてきたことはないけど、それも時間の問題かも。
そんなことを思ったら、深いため息が出た。
「莉子……」
「ごちそうさま」
食欲もあまりなく、さっさと食事を終えた私。レヴィは眉を下げて、自分の分を黙って食べる。
「お風呂入ってくる」
「あ、待って僕も一緒に」
「いや。お風呂くらいゆっくり浸からせて」