××夫婦、溺愛のなれそめ
素っ気なく答え、レヴィの顔も見ずにお風呂に向かう。
いつまでちんたら食べてるのよ。待てるかっつうの。
それでなくても、お風呂についてこようとしないでよ。何が目的なの?
私は、誰にも見張られてない空間でのびのびとリラックスしたいの。他人がいたら邪魔なの。色々と気を使うし。それくらい言わなくてもわかってほしい。
脱衣場で服をバシバシ脱ぎながら、ふと思う。
そっか。夫婦といえども、所詮は他人。私にはひとりの時間もかけがえのないものなんだ。
お風呂に浸かると、ふっと力が抜けた。じわりと目に涙がにじむ。
こんなはずじゃなかったのにな……。
お金もちと結婚して、専業主婦になって優雅な暮らしをする。余裕のある生活をしていれば、旦那様にも子供にも優しくなれて、自分もいつまでも綺麗で家族に愛されるものだと思っていた。
親戚付き合いを回避できるとは思ってなかったけど、お義父さんがああいう感じだし、レヴィから聞くお義母さんの話からも、もっと放置してくれるものだと誤解してた。
まさか、旦那様の兄弟からこうも強烈な嫌がらせを受けるとは……。