××夫婦、溺愛のなれそめ
大丈夫?
その字面だけで泣けてきた。
表では負けたくないと、決して泣かないようにしてきた。むかついてトイレにこもることはあったけど、出るときには絶対に平気な顔で戻ると決めていた。
レヴィに対してもそうだ。
だから私に「大丈夫?」なんて聞いてくれる人はいなかった。みんな、私がイライラしていたら怖がって遠ざかっていく。
もちろんそれは、私が悪い。平気そうな顔でもイライラは周囲に伝染する。
「大丈夫じゃないよ……」
元気な時だったら、こんなメッセージ絶対にスルーしただろう。一時帰国ってなんだよ、聞いてないぞと憤慨したかもしれない。
けど、今の私は傷だらけだ。瀕死の重体。誰でもいい、レヴィと関わりのない人に本音を話したい。
私は時間をかけて、急いで結婚をしなければならない事情があった人と結婚したこと、本人とはうまくいっていたけど、周りのプレッシャーに押しつぶされそうなことを入力して送った。
返事はすぐに来た。
『どうせ条件だけ見て飛びついたんだろ』
ぐ……。図星すぎて何も返せない。唇を噛んでいると連続して次の返信が。