××夫婦、溺愛のなれそめ
破り捨てられた婚姻届
携帯のアラーム音で目を覚ます。
慌てて解除したけど、瞼は重い。
ああ、今日は月曜か……会社、行きたくないなあ。
ぼふっともう一度ベッドに沈み込む。隣には、うっすら目を開けたレヴィが。アラームで起きちゃったみたい。
「おはよう。今日は大事な会議だったね」
金茶色の髪をなでる。すると、彼が寝ころんだまま私を抱き寄せた。
「行きたくない。ずっと莉子とこうしていたい」
金曜日にめでたく仲直りした私たちは、土日は昼も夜も思い切り仲良くして……結果、今二人とも裸でベッドに横たわっている。
他人の素肌をこれほど心地よく感じたことはない。
私だって、ずっとこうしていたいという気持ちは一緒だ。でも、知っている。レヴィはそう言いながら、ちゃんと会社に行くんだ。
「また、帰ってきたらね」
そう言うと、レヴィはうなずいて体を起こした。
さあ、またしんどい平日が始まる。
「無理しない程度に頑張ろう」
私は自分に言い聞かせるように呟いた。