××夫婦、溺愛のなれそめ
契約結婚の決めごと
今日が日曜日で良かった!
あまりに色々あって忘れていたけど、平日だったら大変なことだった。退職前の引継ぎをしなくてはならないのに、無断欠勤なんてありえない。
「まず僕の住まいに来てほしい」
「これからの打ち合わせをするためね」
ホテルで朝食を済ませ、チェックアウトした私たちは共に彼の外車に乗り込む。
「どうして最初からお部屋に連れていかなかったの?」
車を発車させたレヴィに問う。実家に住んでいるというわけでなければ、わざわざホテルに泊まらなくても良かったんじゃ。
「僕も食事中にワインを飲んだから」
「そうか、飲酒運転になっちゃう」
「それに、君がぐでんぐでんだったからね。一歩もまっすぐ歩けないくらい」
……覚えてない。そんなに酔ってたんだ、私。
「でも、肝心なことはできたのね」
歩けなくなったけど、吐いたりはしなかったってことか。
「とても積極的だったよ。素晴らしい夜だった」
レヴィは一瞬こちらを見て、いたずらっぽく微笑んだ。その発言については恥ずかしいので、コメントせずに窓の外を見て誤魔化した。
積極的って……自分でも想像つかない。元々そういうことには淡白な性質の私は、彼氏が忙しくてそういうことがない期間も、特別苦にならなかった。積極的になんて、なったことないのに。