××夫婦、溺愛のなれそめ
海外で入籍するのか、こっちでするのか、まだわからなかったから……でも書店で見つけたときついテンションが上がってしまい、購入してしまった結婚雑誌の付録の婚姻届。
右下には、小さいころ夢中になっていたアニメのヒロインとヒーローが描かれている。タキシード姿のヒーローが、ドレス姿のヒロインの頬にキスをしている。
全体的に淡いブルーとピンクで染色されたそれを見て、レヴィが目を丸くした。
「これ、ちゃんと役所に出せるの?」
「もちろん」
「こういうの、好きなの」
「小さいころ大好きだったアニメの主人公。可愛いでしょ」
怪訝そうな顔で首をかしげる王子様。あ、その仕草、可愛い。
肝心の王子様は私の出した婚姻届を見て、それのどこが『可愛い』のかわからず、しかも役所に提出できるものなのか信用できず、悩んでいるみたい。
もしや、私のことをアニメオタクと思ってるのかな。そういう人たちって、グッズや声優さんの追っかけなどに超お金使うって言うものね。すでに結婚を後悔してたりして。
完璧に見える人が悩んだりしてるの、萌える。私って、おかしいのかな。それともやっぱり性格が悪いのかな。