三澤斗春と恋する犯罪者






何かに導かれるように、
または、あてどない気まぐれな徘徊で、
私は、公園に来ていた。

スーツ姿で、昼の公園を歩くのはあまり気持ちの良いものではない。


どうしても好奇の目にさらされる、気がする。

あと、靴に泥がつく。


けれども、初対面の相手に礼節を欠く行為はしたくない。


季節外れの強い風が、上着を激しくたたく。

私は、それでも歩を進めた。





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