三澤斗春と恋する犯罪者
そもそも、なぜスーパー超絶エキシビション級の私がこんな昼間の公園をトコトコ歩いているかと言うと。
所属する探偵事務所が、離散したのだ。
『方向性の違い』とかいう、
なんだお前ら音楽バンドだったのか、って感じの理由で、だ。
そして、そのせいで勤め先を失った私が、前の事務所の所長をギタギタのボコボコのグチャグチャのピロンピロンのペスペスにしたところ。
快く紹介されたのが『三澤斗春の探偵事務所』。
しかし、あろうことか、事務所には誰もおらず、
それどころか、数年は使ってないだろうという、
ほこりやクモの巣、淀んだ空気があるだけだった。
そして、机の上に置かれていた名刺が、
今、私の手の中にある、これだ。