三澤斗春と恋する犯罪者

そして、私は、自力で、勝手に、三澤斗春の探偵事務所を再建することを誓った。

探偵業務はできないけど、助手としては超アルティメットはんぱない実力のある私だ。


三澤斗春という名の傀儡さえ手にいれれば、あとは思い通りに操り、思うがままにできるはず。


そして、夢の三食昼寝つきの豪華な生活を手にいれるのだ。


待ってろよ、扇風機のある暮らし!



と、意気込んだと同時に、

さながら扇風機の強のような、

風が吹いた。



「え、えぇっ!!?」




それは、一瞬のできごとだった。

それは、小説のジャンルを思わずファンタジじゃないか、と確認してしまうようなできごとだった。





風で、

名刺が飛んだ。





  ・・・・・・・・
私が持っていなかった名刺が全て飛んだ。




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