俺様社長はウブな許婚を愛しすぎる
それに彼が後悔しているというなら、その後悔をなくしてあげたいとも思うから。

「どうかな？　やっぱり無理かな。……お互い相手がいるし」

気まずそうに話す陸斗に首を横に振った。

「ううん、だって私たち今はもう同級生の関係でしかないでしょ？　……約束、果たそうよ」

「千和……」

陸斗と再会して昔の記憶を思い出した。昔の果たせなかった約束も。

それなのにこのままさようならをしたら、私も後悔すると思うから。

「ありがとう。じゃあ今の俺にできる最高級のレストランを予約しておく」

「本当？　楽しみ」

そう言うと陸斗は名刺を一枚取り出し、その裏に自分の連絡先を書いて私に渡した。

「これ、俺の連絡先。あとでここに連絡ちょうだい」

「わかったよ」

受け取り見ると、そこには携帯番号が書かれていた。

「もちろん月曜日が終わったらお互い消そう」

「……うん」

陸斗は時計で時間を見るとギョッとし、慌てて残りを食べ珈琲を一気に飲み干した。
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