俺様社長はウブな許婚を愛しすぎる
「和臣さん、今日は本当にありがとうございました。水族館だけではなく、このレストランも予約してくれて」

水族館を満喫した頃にはすっかり日が落ちていた。

昼食は水族館で済ませ、メニューの試食もさせてもらった。

時刻は十八時過ぎ。閉館時間ギリギリまで堪能させてもらえて、本当に楽しかった。

けれど和臣さんのサプライズはこれだけで終わらなかった。


「予約しているところがあるんだ」と言われ、連れてきてもらったのは、これも以前、灯里ちゃんとふたりで「いつか行きたいね」と話していた、韓国料理店。

焼肉やキムチが美味しそうでずっと食べたいと思っていた。まさかそこに連れてきてくれるなんて、夢みたいだ。

店内は満席で賑わっている。

その中で彼とテーブルを囲んでお肉を焼いて食べて。……なにこれ、最高に幸せすぎる。

大丈夫、私はちゃんと彼に愛されている。胸を張って幸せですって言える。

それに結婚に障害は付きものだってよく言うじゃない。
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