俺様社長はウブな許婚を愛しすぎる
なにもかも完璧な人間なんていないし、合わないことや意見が食い違うことだってあると思う。

だったらその度に、もっと和臣さんのことを知って、逆に私のことも知ってもらえばいい。

もっと自分の気持ちを伝えられるようになればいいんだ。

そう思うと、彼との結婚にも前向きになれた。

シスコンでもこうして私の誕生日に、最高のプレゼントをしてくれた彼となら、幸せになれるって。

美味しい料理を堪能していると、和臣さんの視線を感じ顔を上げた。

「どうかしましたか?」

なぜか和臣さんは食べる手を休め、愛しそうに私を見つめていたから。

好きな人に食べているところを見られているかと思うと、恥ずかしい。

「いや、美味しそうに食べている千和は最高に可愛いなと思って」

なのにさらに歯が浮くような甘いセリフを言われたら、たまったものではない。

かぁっと身体中の熱が上昇してしまう。

「もう、なにを言っているんですか! 照れるじゃないですか!」

捲し立てて言うものの、彼は目を細めるばかり。
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