俺様社長はウブな許婚を愛しすぎる
ドアが閉じてからも聞こえてくるふたりのやり取りに、灯里ちゃんとふたり呆然となる。
けれど会議室に入ったのか、静かになる。
「もう、お兄ちゃんってば」
そして灯里ちゃんは呆れ気味に言った。
「千和さん、本当にこの機会にお兄ちゃんとの結婚をよく考えてください。そして自分の気持ちをバンバンお兄ちゃんに言ってやってください。……なかなか正直な気持ちを相手に伝えるのって難しいと思いますが、大切なことだと思うんです」
「灯里ちゃん……」
そう言うと灯里ちゃんは、少しだけ舌を出した。
「実は私も健太郎さんと付き合いはじめの頃は、なかなか自分の気持ちを素直に伝えることができず、我慢してばかりでした」
「え……灯里ちゃんも?」
「はい」
意外だ。灯里ちゃんも私と同じだったなんて。
「でもある日、健太郎さんに言われたんです。なんでも思ったことを俺にぶつけてほしいって。言ってくれないと寂しいって。……きっと、お兄ちゃんも同じだと思いますよ?」
トクンと胸が鳴る。
けれど会議室に入ったのか、静かになる。
「もう、お兄ちゃんってば」
そして灯里ちゃんは呆れ気味に言った。
「千和さん、本当にこの機会にお兄ちゃんとの結婚をよく考えてください。そして自分の気持ちをバンバンお兄ちゃんに言ってやってください。……なかなか正直な気持ちを相手に伝えるのって難しいと思いますが、大切なことだと思うんです」
「灯里ちゃん……」
そう言うと灯里ちゃんは、少しだけ舌を出した。
「実は私も健太郎さんと付き合いはじめの頃は、なかなか自分の気持ちを素直に伝えることができず、我慢してばかりでした」
「え……灯里ちゃんも?」
「はい」
意外だ。灯里ちゃんも私と同じだったなんて。
「でもある日、健太郎さんに言われたんです。なんでも思ったことを俺にぶつけてほしいって。言ってくれないと寂しいって。……きっと、お兄ちゃんも同じだと思いますよ?」
トクンと胸が鳴る。