俺様社長はウブな許婚を愛しすぎる
「けれど私と和臣さんは結婚して家族になる身です。このまま本音を曝け出せなかったら、結婚しても幸せになれないと思いました。……だから言わせていただきます」

一度深呼吸をした後、真っ直ぐ彼を捕らえ言った。


「灯里ちゃんはもう結婚したんです、いい加減妹離れしてください！　それと田中さんや他の社員の方に迷惑をかけるようなこともだめです！　せっかく良い仕事をしても普段がそれでは台無しです!!」

「は、はい！」

怯えたように返事をする彼。そんな彼に最後にもうひとつだけ伝えた。


「それと和臣さんも私になんでも話してください。……時には意見が合わなくて喧嘩しちゃうときもあるかもしれませんが、その時は仲直りして、もっと私たちの関係を深めていきましょう。……私は大好きな和臣さんとなんでも言い合える関係の夫婦になりたいんです」

「千和……」

やっと言えた、私の正直な気持ちをすべて。

大好きな人だからこそ、臆病になることもあった。でもそれじゃ一向に彼との関係は進展しないんだ。
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