その日、" 恋 "を知りました。


ガタン、ガタン─────

ガタン、ガタン───


花が咲き誇り、冬の寒さがまだ残りつつある" 春の朝 " 私の家は少し学校から遠い為に登校は何時も〝電車〟だった


車内には、これから仕事なのだろう…スーツ姿の男性が大勢密集し、数少ない座席を堂々と奪い座り呑気に化粧をし顔を整える女性の姿が瞳に映る。


人間が密集している小さな箱状態の電車には、汗の思わず鼻をつまみたくなる様な匂いが充満し加齢臭が鼻に焼き付き残りそうになっていた


「……く、るしい…ッ」


私が乗車した時にはもう座席は埋まり、やむおえずつり革を右手で握り左右前後男性で囲まれ、押し潰さるそうな中 一人電車に揺られ続けている。


ただ────限界だ ……


車内に充満している匂いは本当にキツい匂いばかりで、匂い酔いに弱い私は正直気分が悪く限界を越しそうだった


「ぁッ、…やばい……これ…」


すぐ様、近くの人間に助けを呼ぼうと小さな声を振り絞る__だが視界が狭まってもうバタッと倒れる勢いに現状、置かれている。


「たす……け、…」


そう、振り絞った声は電車の音で掻き消されそうな程小さく視界が朦朧としてる私は「…周りの人達に迷惑かけるやつだ…」と思い乍床へ膝をつこうとした瞬間────



何か、冷たい誰かの大きな細い指が目立つ手が私の手首を握りしめたのだった 。


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