眠り王子が人ではなかったのですが。
って、なに話してんだろう私……急にそんな話されても困るよね普通。
『ごめんなさい、ついつい話し……』
ポンッと頭に手が置かれ、言葉を失った。その感触に、驚き目を丸める。見上げると、彼は優しい笑みを浮かべていた。
「よく頑張りました」
ゆっくりと頭を撫でる彼の手に、だんだんと目頭が熱くなってきた。グッと泣きそうになるのをこらえて俯いた。
『あ、りがとう』
いつも、嘘つき!!構ってほしいだけでしょ!!気持ち悪い!!と冷たい言葉を浴びせられていた。
頑張ったねと言われる事がこんなにも、心を温かくするんだと頭に感じる暖かさに目を閉じた。
「コレも何かの縁だ。もう一人で抱え込む必要はない」
茶々は私の手に擦り寄りってくると、ニャーッと一鳴きした。