眠り王子が人ではなかったのですが。
何故かお茶会に参加
「陽、そこのティーバッグ取って??」
「めんど……」
長年消える事のなかった不安が和らぎ、二人、一人と一匹に感謝しつつ帰ろうと思っていた。
が、何故私は今ココに居るのだろうか??
「はーい、平塚さん紅茶」
『あ、どうも』
出されたティーカップを手に取り頭を下げた。違う、そうじゃない。
混じりっけのない綺麗な金髪と、海底のような深い青色の大きな瞳の男の子は、私がティーカップを受け取ると自分の椅子に腰をかけた。
「いやぁ、それにしても人間の女の子なんて珍しいよね」
「そうだな」
金髪の男の子の横に座る、着崩した制服と切れ長な目が印象的な、ザ・不良な雰囲気の男の子はコクリと頷いた。
帰ろうとしていた私は、温室に来た彼らと鉢合わせになり。金髪の子の「お茶飲んでいきなよぉー」という緩い一言によって強制送還されて今に至る。
何故だ……。
「あ、そういえば僕たち名前言ってなかったね」
思い出したようにポンッと手を叩いた金髪の子は、フフッと微笑んだ。天使のスマイルとは、こういう笑い方の事を言うのですね。