眠り王子が人ではなかったのですが。
『茶々、私の分あげるよ』
シュークリームを一口大に千切ると、茶々の口元へ差し出した。パクッとシュークリームを食べた茶々は、私の手にスリスリと頭を押し付けてきた。
「朱里、礼を言う」
ゴロゴロと喉をならす茶々を撫でながら、残りのシュークリームを口にいれた。
本当に美味しい。将来はパティシエになれるよ絶対に。
「幸せそうに食べてくれるねぇ。作ってよかったよ」
雪島君は、頬杖をつき私の方をみてフフッと笑みを浮かべた。
「そんなに美味しいんなら、俺のもあげるよ」
『えぇ!?いいよ大丈夫』
隣に座る大路君からシュークリームを渡され、慌てた。
食い意地のはった奴だって思われてるんじゃないだろうか。違うんですこのシュークリームが美味しい過ぎるんです‼