眠り王子が人ではなかったのですが。
「簡単に言うと、僕も千晶も人間じゃないんだ」
『……えっと、大路君の様に妖怪なんですか??』
私のことを、人間と言っていた所を見ると、彼らは人間ではないんだろうなぁとフワッと考えていた。
合っているだろうかと首をかしげると、「正解だよ」と雪島君は頷いた。
「僕は母さんが雪女で父さんが人間。妖怪と人間のハーフなんだ」
「俺は鬼」
二人の正体を聞いて、なんだか納得してしまった。大路君も入れて三人とも、人間離れしてるもんな顔の整い方とか。
『……鬼と雪女と化け猫』
なんだか凄い学校だな……。見た目は普通に人間だけど、特殊な力が使えたりするんだろう。だとしたら凄い。
「妖怪だからもちろん、この世のものじゃない彼らのことも見えてる」
だから理解できるんだよと雪島君はフワッと微笑んだ。
『……新鮮、ですね……。同じものが見えるって不思議な気分』
今まで見えない人とばかり過ごしてきた私のとって、見える人との出会いは素直に嬉しかった。