眠り王子が人ではなかったのですが。




「僕たちは人間じゃないからね。理解してもらえない歯がゆさとか不安な気持ちよくわかるよ??人間ってさ、違うことを嫌うからね」



いつもの様に笑う雪島君だけど、先ほどまでと違ってどこか悲しげな笑みだ。



「まぁ、違うのを嫌うのは人間だけじゃないけどさ。きっと皆不安だからはね除けようとするんだよ」



『不安??』



「そう、キャパオーバーするんだよ。見えないから、知らないから、急に与えられた情報に拒否反応が出る。どうしたらいいか分からないんだと思う」



そう雪島君に言われ考えてみた。



もし私に霊感がなかったら、霊感のある子の話を聞いて多分吃驚するだろう。そして恐怖する。



あれ、……何で恐怖するの??



自問自答するように考え込んでいく。そして答えはすぐに見つかった。



あぁ、見えないからその情報が正しいか判別できない。だから、怖いと思うのかも……。



嘘かもしれない、でも本当に居たら怖い。でも見えないから嘘かどうか分からない、モヤモヤする。



モヤモヤして気持ち悪い気分になる、それが恐怖に繋がるのかも。



「だからって、君自信が一人抱え込む必要は、もうないよ。僕たちは人間じゃない、ちゃんと不安な気持ち理解してあげれるから」



『有難うございます』



ペコッと頭を下げると、ポンポンッと頭を撫でられた。



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