眠り王子が人ではなかったのですが。




楽しい会話と言うのは時間を忘れてしまうようで。気がつけば、四時を過ぎていた。



『もうそろそろ帰らないと』



「……そうだね。逢魔時とかぶるのは、平塚さんにとっては危険だもん」



『逢魔時??』



紅茶を飲みながら雪島君は、コクリと頷いた。



「夕方から夜にかけての薄暗い時間の事だよ。幽霊や妖怪が出やすくなる時間なんだ」



『じゃあ、速く帰ったほうが良いですね』



まだ暗くはないが、すぐに薄暗くなってくるはず。その逢魔時とかぶったら、いつも追いかけられてるああいうのに沢山追いかけられるってことでしょ!?無理!!怖い!!



荷物を手に、アワアワトする私に茶々はため息を吐いて足元によってきた。



「とりあえず落ち着け朱里よ。逢魔時は大体酉の刻だもう少し時間はある」



焦らないように言ってくれているのは分かったが、酉の刻って何時だ??



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