眠り王子が人ではなかったのですが。

少し待っていると、紅茶が用意された。暖かそうな湯気とともに、紅茶のいい匂いが鼻腔をくすぐった。



『いい匂い』



「でしょ??ここの紅茶は香りがいいんだ、さぁ食べよう!!」



『……遠慮なく、頂きます』



手を合わせティラミスを口に入れた。あぁー、もうお店開いて欲しい。



ほろ苦いココアパウダーに、濃厚なクリームチーズが合う。何より紅茶に合う。



紅茶を飲みつつ辺りを見渡す。温室の花は今日も生き生きと咲いていた。



『ここの花は、雪島君たちが管理してるんですか??』



「え??違うよ??」



キョトンとする雪島君に、ココを維持する専門の人でも居るのかと勝手に納得した。