眠り王子が人ではなかったのですが。
第二章
体育祭は張り切らない派
ザワザワと教室がいつも以上に賑やかだ。理由は簡単、学校の代表的なイベント体育祭の種目決めをしているから。
心底興味ない。
友達いる居ないの前に、完全なインドア派なのだ。暑い中、汗をかいて走ったりは極力したくない。
周りの子はそうではないらしいけど……隣の席の彼以外は。
机に伏せって、今日も睡眠中の彼をチラッと盗み見る。
太陽の光で、髪がキラキラ光っていて綺麗だ。ついつい見とれていると、不意にあいた彼の目を合う。
「……そんなに見られたら、穴があいちゃう」
『ふぉッ!?……いつから起きて??』
「熱い視線を向けられたら起きるよ」
彼はクスクスと笑った。恥ずかしくて顔から火が出そう……。