眠り王子が人ではなかったのですが。
『も、ヤバイ』
いつもは撒けるが、今日はなかなか撒く事が出来ない。段々と体力がつき始める。
どうしよう、どうしようと内心焦っているとガラス張りの建物を発見した。
と、とりあえず逃げ込もう。
屋内に入るのは不利かもしれないが、とりあえず隠れようとガラス張りの建物に入った。
『か、くれな、くちゃ……』
ガラス張りの建物は、温室庭園のようで。綺麗な花や木々がたくさん生えており、隠れやすそうだ。
大きな木の幹に隠れ、荒い息を整える。バクバクという心臓に手を当てて、落ち着け落ち着けと深呼吸した。
幹の影から、入り口をチラリとのぞき見た。
《オ姉チャン??ドコォ??》
女の子は、ウロウロと探し回っているが、ガラス張りの建物には入ってこようとしなかった。
なんで??
建物に入ろうとしないというか、まるで彼女にはこの建物自体見えていないような様子だ。