繋いだ歌【完結】
「大丈夫。絶対に真史はデビューさせたくなるから。だって、僕が求めた人なんだよ?」
「どこからそんな自信が出て来るのか、私には甚だ理解出来ません」
「あはは。まあ、でもいつ会えるかなんてわからないけどね」
「きっと会えますよ」
「真史にしては珍しいね。いつも現実的なのに」
夢みたいなことを言うと、現実的な観点で無理だと言われるのに。
そう言った僕に真史は眉間に皺を寄せると、ぼそっと呟いた。
「……ケーが求めた人物なら、きっと私はファンになるでしょうから」
照れ臭そうにする真史に、ふふっと笑みが漏れる。
でも、残念だ。
「ファン第一号は僕だから、そこはいくら真史だって譲れないよ」
鼻を鳴らして僕は真史に言ったんだ。
キョトンとする真史を見て満足した僕は、部屋へと向かった。