繋いだ歌【完結】
会えたのはそれから二日後だった。
と、言っても僕は家に連れてきてなんて言っていない。
風邪を引いたから良くなるまで待ってて欲しいと伝えてって真史には言ったのに。
ひまりのことを考えて曲を作っていた僕に、真史は当然怒っていた。
やけに頭がガンガンするな~、ボリューム下げていたんだけどな~って思っていたけど、熱がまた上がっていたってことに真史に言われて気付いた。
だって、ひまりの為の曲がこんなにも浮かぶのにじっとしていろだなんて、無理な話じゃない?
そんな僕も病院に強制入院させられるのは嫌だから、大人しく寝ることにした。
僕と、真史のやり取りを見ていたひまりのキョトンとした顔は凄く可愛かった。
目の前にひまりがいる。それだけで僕の体温が更に上昇していく気がした。
僕がこんなにもひまりを求めているのに、ひまりには自信がないようだった。
どうして? こんなに君は僕に求められているんだ。
僕は君の為ならいくらでも曲が浮かぶんだ。
このメロディーも、さっき作った曲も、全てひまりのものだ。
それを証明するように、僕は最近作った一曲を聞かせるとひまりは静かに涙を流していた。