たぶん、トクベツちがいな恋。
もう、どこから突っ込めばいいのか分からない。
え?こういうの普通?俺が嫉妬深いだけ?世の中の男たちは、もっと寛大?
だいたい彼女でもない女の子に対してそんな感情を持っているってだけで負けている気がするけど、それでもやっぱり心の奥からは賛成できなかった。
…でも、とってしまったもんは、仕方ない。
「…前泊だけだよな? 終わったら、俺とチョコレートカフェに行って、鎌倉に戻る?」
念のため、聞いてみる。怖いけど。
『うん。別にほかに用事はないし。夜には電車乗るようにするけど?』
「…あそ…。ならいいけど」
ホッとした。試験期間で次の日までは大学が休みだから、鎌倉まで送ってやろうと思った。せめて、大船駅くらいまででも。
当たり前のように「帰る」と言った彼女に、少しだけ安心した。そこから泊まるとか言ったら、俺の心境はまたちょっと違ったと思うから。
「…じゃあ、次に会うのは二次試験が終わってからだな。あと1ヶ月後くらいか」
『そうね。あとはもうやるしかないって思ってる。チョコレートのために』
「そうだな。終わったらとりあえず、美味しいやつ食べに行こう。それまで、ちゃんと頑張れよ。信じてるからな」
『…分かってる。ありがとう』
茶々の試験まで、本当にあと少し。
それまで俺は、信じて待ってやることしかできない。
試験を終えて、今までの努力をすべて終わらせて、帰ってきた彼女を、ちゃんと受け止めるまで。
心はしばらく落ち着かないんだろうけど、そうするしかない。
茶々を、信じて待つんだ。