たぶん、トクベツちがいな恋。
試験の詳細は、あまり知らされていなかった。とりあえず午前中で試験が終わるということは分かっているから、茶々との待ち合わせは13時にした。
行くのは、ランチメニューもあるカフェらしいから、今回こそはそれでお腹を満たそうと思う。
1人で家の中でじっとしていても落ち着かなかった。
…どうせだから、着ていく服とかも決めてしまうか。雨だしなあ。寒いし、迷う。茶々はおそらく制服なんだろうけど。
クローゼットを開いて、並んでいる服を1枚ずつ眺めていると、またまたうるさくスマホが震えた。今日はよく鳴る。そしてそれは鳴り止まない。
どうやら電話らしい。ベッドに沈んでいたそれを取って耳に当てると、聞き慣れた声が聞こえた。
『あっ、おはよう〜〜!近海?』
「おぉ」
珠理だ。
『今大丈夫?あのねぇ、今めごと2人でいるんだけど、茶々が今日で試験終わりでしょう? だから、合格発表も終わるくらいの時期に、みんなで集まれないかなーって!』
テンションが高い。どうやら、茶々の試験お疲れ様会を開こうと考えているらしい。
考えているというか、多分これはもう、色々と計画が進んでいるんだろうけど。
「…いーよ。そうなるかなって思って、その付近はバイトも入れてない」
『本当!? さっすが近海!茶々のこととなると抜け目がないわね!』
「うるせー。そーいうことじゃねーよ」
珠理と電話をしながら、服を選んだ。雨だから、汚れないようにって考えると、どうしても黒っぽいものになってしまう。
でも、仕方がない。