たぶん、トクベツちがいな恋。
「…今日、アタシたちが来るまで、茶々の勉強見てあげていたんでしょ?」
「…!」
突然、珠理の口から茶々の名前が出て、少しだけ心臓が跳ねた。コイツは、あんまり自分から茶々の話をしてこないから。
「んー…。まぁな。お前たちが来る前に、少しだけ…」
普段、こんな話をあまりしない分、突っ込まれるとどう答えたらいいのか分からなくなる。別に隠してるわけじゃないけど。
「そっか。茶々、アタシたちと同じ大学受けるんでしょ?」
「そーだよ。学部は違うけどな」
「そう」
俺は、珠理と大学までもが同じだ。
アメリカへ渡っていたせいで、珠理は9月入学の制度で通っているから、俺とはまたちょっと違うけど。
それでも、同じキャンパスにいるから、会おうと思えばいつでも会える距離にいるわけで。
それに茶々が入ってきたら、3人同じところに通うことになる。
「めごと瀬名ちゃんは同じ横浜の大学だし。アタシたちも3人同じ大学になったら、またさらに会いやすくなるわね」
「…まぁな、そーだな」
茶々も、頑張ってるし。無事に合格して、そんな未来に飛び込んでいければ、それが一番いい。
…そうなればいいって、このオネェも思っているってことなのだろうか。