たぶん、トクベツちがいな恋。
「ねぇねぇ、近海。今日のバイトは何時まで?明日休みなら、この後アタシの家で集まらない?」
「…別にいいけど。終わるの10時過ぎだよ」
「おっけー♡待ってる!」
ニコニコと、嬉しそうに笑う3人。12月に入った今、このメンバーで集まるのも久しぶりな感じがする。まだ、1ヶ月経ってないのに。
ひらひらと手を振る3人に少々呆れながらも、俺はキッチンの方に向かった。
・・・
朝、目が覚めたら、俺はいつのまにか珠理のアパートに転がっていた。時計を見ると、朝の8時半だった。
…そういえば昨日、あれから4人で夜中3時くらいまで喋っていたんだった。思い出した。
起き上がってみると、3人とも寝落ちてしまったらしく雑魚寝状態。珠理だけは、めごちゃんをガッチリ掴んで寝転がっているから、こんな時にも抜け目のないオネェだと思う。チクショウ、見せつけやがって。
暖房で熱くなった身体を冷やしに、そっとベランダに出た。冷たい空気が肌をくすぐって、気持ちよかった。
しばらく、外で行き交う車と景色をぼーっと見ていたら、手に持っていたスマホが震えた。ボタンを押して開くと、俺たちで作ったメッセージグループが動いていて。
その中に一件、茶々からの新しいメッセージが。たった今届いたものだ。
『楽しそうでいいわね。あたしは今から夜まで塾』
「…」
いつも通り、ぶっきらぼうな内容。
…そうか、昨日、めごちゃんたちと茶々で話してたな。メッセージ内で、だけど。これは、その続きか。
つーか、塾も行き始めたのか。夜までなんて、ご苦労なこって。
「…」
気がついたら、茶々のアカウントを開いて、通話ボタンを押していた。別に、出なかったらそれでいいし。
もしかしたら、もう塾に着いてるのかもしれないし。それだったら、それでもいい。
もし出たら、一言、勉強頑張れよって言いたいだけで。