たぶん、トクベツちがいな恋。


「美濃に聞けば、なんかアドバイス貰えんじゃね?アイツ、すげーモテそうじゃん」


そうだ!と手を叩いて、直矢が得意げに言う。
…あほだなあ。珠理に言って解決するもんなら、俺だって真っ先に相談するわ。そんな簡単な問題じゃないからこんなに苛立ってるというのに。


「珠理には聞けねーの」

「ええ?なんで?何でも言える仲だろうよ」

「んなわけねーだろ。アイツにはあまり茶々のことは相談したくねーんだよ」

「…ふーん?」


それより茶々ちゃんってどんな子?写メ見せて!と直矢にせがまれたけど、頑として断った。絶対見せない。ヘタに写真なんか見せたら、可愛いのがバレるし。

あいつは一応美少女だ。
黙ってたら地球上の男を虜にする威力があるからな。

…珠理以外の、地球上の男ってことだけど。


カレーを食べ終わった頃に、もう一度スマホを開いた。さっきからブーブーと震えていたから、何だろうと思っていたが、いつのまにか着歴が残っていた。

一瞬、茶々かと思ってドキッとしたけど、そうじゃなかった。画面に出されたのは、“ めごちゃん ” の文字。

「…」

…めごちゃん? なんで、めごちゃん?

今まで電話なんて一度もしたことなかった気がするから、思わぬ人物からの着歴に驚いてしまう。


かかってきたのは、ほんの10分くらい前。まだお昼休みだったら…と思いながら、そのまま電話を鳴らした。

スマホを耳にあてながら、前を歩く2人の後ろを付いていく。


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