オレンジ色の恋 ～切なさは誰の物？～

「俺ね、泳いだ後はがっつり食べたい」
「夜ごはん食べられなくなるよ？」
顔をしかめた私に、
「夕飯は別腹」
ニヤリと笑った綾斗に、私はため息をついた。



校門をでようとすると、２人の女の子がいた。

「綾斗！帰り？」
いかにも女の子っという感じのキラキラした２人で、チラリとするどい目線を投げられた気がして、私は慌てて目線を逸らした。

彼女たちの奇麗に巻かれた髪、きれいにメイクされた顔。
プールを出たばかりで、もちろんノーメイクでまだ濡れている髪を、一つに結んだだけの髪。

何か話している３人をチラリとみて、改めて思った。
綾斗はかっこいい。

１８０センチ近い身長、くっきりとした二重の瞳。サラッとした髪も。
そして纏う雰囲気。

私なんかが隣にいるより、あの子たちみたいな綺麗な女の子があう。